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山登り

厳冬期北岳(敗退)

投稿日:2012年1月8日 更新日:

2012/01/05・06・07 厳冬期北岳(敗退)

 冬の北岳に行ってきたが、八本歯の頭手前までで敗退して来ました。

 ここに登るには、冬山テント泊装備が必要(池山避難小屋に泊まることも可能)で、2011年冬のボーナスをつぎ込み雪山テント泊装備を揃えたので2012年に入りドカ雪が降るまえの正月明けに決行した!

 1日~3日は自宅を抜けられない。なので4日に登れるところまで登り5日に登頂を目指す日程を立てたが、北岳の天気予報を見ると、5日標高2900m付近で強風が吹き荒れる。


なので1日ズラシ、5日に登れるところまで行き、樹林帯にテントを張り風を凌ぎ6日の風が穏やかな日に登頂を目指すことにした。

次にどこからアプローチするか?を考えてみる。
考えられる入山口は、夜叉神峠登山口か奈良田の二カ所。
どちらも一長一短あり迷うところ。

◆夜叉神峠登山口
南アルプス林道に入り、数km歩き途中から南アルプス林道を外れ、鷲ノ住山を少し登りそのあと発電所まで400m下らなければならない。ってことは帰りは疲れた体で400mの登り返しが待っている・・・・・

◆奈良田
まずは南アルプス林道に入るためには、ココは刑務所か!と思わせるような高い鉄柵を越えなければ南アルプス林道に入れない。
入ってからも12kmもの南アルプス林道歩きを強いられる。

さあー!あなたならどちらを選ぶ???

考えすぎても仕方ないので、単純に自宅から近い夜叉神峠登山口に決めた。。。

例のごとく4日PM10:00頃自宅を出発し、夜叉神峠登山口を目指す。
芦安温泉に近づくにつれ、雪が薄っすらと道路に見られるようになり、夜叉神峠登山口では3cmほどの積雪があった。
車は当然ジムニーで出動したため問題はないが、天気はズッと晴れの予報だったはず!



AM5:00過ぎ駐車場を出発した。




まずは夜叉神トンネル(1kmほど)を歩く。夜叉神トンネル入り口は大きなシャッターが閉まっているが、横の隅に人が通れるドアがありそこから入ることが可能。
ドアを開け入るといきなりテントが張ってあってビックリ!もちろん灯りは皆無で真っ暗な闇。ストックを付く音がトンネル内に響き渡る。
意外と怖がりな私は後ろを振り向けない^^
トンネル内には湧水が天井から流れ落ち、大きなツララが天井から垂れ下がっており落ちてきて頭に刺さらないかビクビクしながら通る。床面は所々凍結箇所あり。
ヘッデンで照らしながら慎重に進む。
トンネルを出てからも所々凍結しているため道の端を歩く。



6:00過ぎに鷲ノ住山登山道に到着するが、初めての場所を暗闇で登るのは気が引ける。
更に、天気予報通り風が強い。
道路脇で足元が見えるようになるまで休憩する。










6:20頃に明るくなり登り始め、スタートする。
始めは不安定な登山道を進み、すぐに鷲ノ住山の頂上に着くが何もない。
そこからは、急な登山道を400m下る。
普段よりザックの重量があるので慎重に降りる。





2個目の鉄塔脇から展望があり目指す南アルプス林道が見える。




発電所の対岸まで降りてきた。




対岸の林道に出るにはこの吊り橋を渡る。




吊り橋を渡りきって振り返る。エメラルドグリーンの野呂川が綺麗~♪




南アルプス林道への合流地点
発電所から林道に出るまで、チョッとした難所あり!





林道側から見る。




ココからも幾つかのトンネルを通らなければ登山口にたどり着けない。




しばらく歩くと登山道が表れる。ココまで夜叉神峠登山口から3時間。まあまあのペース。




ココからは薄っすらと積もった雪の登山道を赤い目印を頼りに登って行く。





















池山避難小屋。
入口は2重になっていて外側のドアは雪で開かなくならないように常時開いているのかな?





中は土間と床が半々あり、床にはシャラフであれば10人分位は並ぶほどの広さがある。
今回はココに泊まる予定はなく、少し休憩して先に進む。





急斜面を滑らないように登って行くと、水平な尾根に出た。
この時点で15時を過ぎているのでビバークできる場所を探す。





登山道脇に平らな部分を見つけココでビバークすることにした。
周りを木に囲まれているので風が強くても大丈夫でしょう!
まずは、重いザックを背負ったまま歩き回って整地してからテントを張る。





テントを張ると、着替えて近くの雪をすくって水を作る。
今日の夕飯用と明日の飲み水を作るが、煮沸してから入れればよかったが、
この時は雪から氷になり水になった時点でタオルで濾してプラティパスに入れる。
(次の日この時作った水の不純物が原因と思われるひどい吐き気に襲われた)
本日の夕飯〝キーマカレーとゆで卵〟







2012/01/06

朝5:00にテン場を出発した。
少し登るとトレースが完全に消えたが、動物の足跡を頼りに進んで行く。
途中から動物の足跡も無くなり、暗闇の中赤い目印を探すがメジャールート
ではないため少なくなかなか見つけられず大幅なタイムロスを強いられる。





それでも森林限界に出るころに稜線から太陽が顔を出してきた。
しばらく撮影して進むが、この頃から吐き気が激しくなってくる。





天気は上々で、天気予報通り風も穏やか。農鳥岳と間ノ岳が見てくる




ココはボーコンの頭?それとも砂払い?




振り向くと富士山も綺麗に見る。




雪を被った北岳が見えてくるが、ココから八本歯の頭まで
トレースは無く、ラッセルを強いられる。





間ノ岳の日本一長い3000m稜線が見渡せる




そこから吐き気と戦いながらラッセルを続けたが、本日中にテントを撤収し
林道まで降りる予定や、吐き気がきつくなり複合的に考え、
今回はココまでとして、次回再アタックを誓い撤退することにした。







自分のラッセル跡を歩きテン場まで戻り、撤収し下山を始める。
池山避難小屋に泊まるか迷ったが、林道まで降りることにした。





2時間30分掛かり15:30に林道まで降りてきた。
鷲ノ住山の400m登り返す気力はなく林道脇でまた今夜もビバークする。
吐き気が収まらず、食べ物は一切受け付けないので早々と寝る。
次の日は6:30に出発し、夜叉神峠登山口に11:30到着した。





【雑感】

林道から池山避難小屋は遠かったし、闇の中単独でのラッセルは辛い。
心が折れそうになる。
下山後は温泉に置いてあった〝みかん〟を食べると喉の奥に激痛が、とにかく刺激物が当たると喉の奥が激しく痛んだが、次の日には治ってしまった。
吐き気と関係があるんだろうか??やっぱり水かな~
また来年挑戦しよう。


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