去年、死亡事故と登山道の崩落に会い撤退した下ノ廊下に今年も行ってきた。
去年の記事は ⇒ココ!
ここの登山道(旧日電歩道)を知ったのは何時ごろだろうか?
黒四ダムの黒部湖を挟んで上流側を上ノ廊下、下流側を下ノ廊下と呼ぶ。特に下ノ廊下は深い雪に阻まれまともに歩けるのは、9月の中旬から10月末までの実質1ヶ月と半分ほど。ネットで何と無くインプットされたが、日本百高山完登までは山じゃないし行く予定はなく後回しになっていて数年はほっといた場所。
去年を振り返ってみると、下ノ廊下を歩く数日前から立山で地震が発生していたが私の登山するころには地震は収まってはいたため、安易な気持ちで登山を開始した。しかし途中軽微な地震で発生した落石に巻き込まれた登山者が死亡した事故現場に遭遇したり、登山道の崩落事故に会い進路を絶たれ去年は撤退した。
そして今年(2012年)懲りずにまた挑戦することにした。
ルートはこんな感じ
1日目(9月28日)
■埼玉 ⇒ (車) ⇒ 扇沢 ⇒ (トロリーバス) ⇒ 黒部ダム ⇒ 内蔵助出合 ⇒ 十字峡 ⇒ 東谷吊橋 ⇒ 仙人ダム ⇒ 阿曽原温泉小屋(テント泊)
2日目(9月29日)
■阿曽原温泉小屋 ⇒ 折尾大滝 ⇒ 欅平 ⇒ (トロッコ電車) ⇒ 宇奈月温泉 ⇒ (車) ⇒ 埼玉の予定で行ってきた。。。
メンバーは、私とガッキーとヒ~さんの3人
(扇沢から宇奈月温泉まで車の回送を頼むので多い方が安上がり)
9月27日の22:00ころ自宅を出て黒部アルペンルートの長野側の起点〝扇沢〟を目指した。
2:00に扇沢に到着。去年までアスファルトの無料駐車場が、
今年から有料になったため未舗装の無料駐車場に止め、5:30まで車の中で仮眠する。
7:30始発の黒部ダム行のトロリーバスに乗るため列に並ぶ。
室堂の紅葉が進んでいないのか、去年より客が少ない。
トロリーバスに乗って15分で黒部ダムに到着。これだけで1500円は高い。
黒部ダム方面に向かわず、トロリーバスの道路沿いに進むと旧日電歩道の出口に出る。
そこから150mほど下るとダムの下に出て対岸に渡る
ダムの観光放水が行われていて、ここまで飛沫が飛んできてチメタイ
去年の落石の跡が生々しく残っている。
本日は快晴で空が青い
対岸の壁の崩落跡も去年と全く変わらない
内蔵助出合を過ぎると少しずつ旧日電歩道らしくなってくる。
まだこのあたりは歩道と川までが近い。
ココが去年の死亡事故現場。
到着と同時に直径20cm位の石が時速100km位の速さで勢いよく落ちて来た。
直径20cmクラスだとヘルメットを被っていても頭に当たれば即死だろう。
ココは地震がなくても落石の多い場所。
更にこの先でも拳ほどの大きさの石が目の前を通過していった。
こんな所なのにヘルメットを被っている人は少数。
まだ残雪が残っている。これは融けきらずに冬を迎えるだろう
知らない人・・・・・
狭い歩道を歩く動画
黒部別山谷。幅広いので、ロープで下りロープを使って登る。
狭い渓谷を黒部川は流れ進んで行く
現在高巻きはココだけ
壁が近いし、歩道側に斜めってるし!
このあたりが最も狭い
黒部川には20~30cmの岩魚がウヨウヨ!
途中左右の壁が緩やかになり渓谷が急に広くなる
その先には、去年崩落した場所に出た。完璧に修復されている。
完璧に修復された登山道。去年のことを考えると感慨深い。
去年の崩落直後の動画も載せておきます。
しばらく進むと初日のハイライト十字峡に出る
十字峡の上に掛る吊橋
吊橋手前で・・・。ヘルメットにはGoPro
展望台に降りる。ここからの十字峡の眺めが最高!ヤッホウ~♪
十字峡展望台からの眺め。水不足なのか迫力が今一。
これが先ほどの吊橋。手前には薄らと虹が出ている。
十字峡を過ぎると、歩道と川までの距離が離れてくる。このあたりだと100mほど離れている。
上の画像の場所を歩く。
よくこんな所に歩道を作ったもんだ!
渓谷美。
東谷吊橋
東谷吊橋を歩く。
東谷吊橋を渡回り込んで東谷吊橋と、黒部ダム発電所。
仙人ダムの放水
仙人ダムを渡りきってチョッと休憩
ココから仙人ダム内を通る。
仙人ダム内通路。
仙人ダム内通路を過ぎると、電車の隧道がある。
ココが吉村昭〝高熱隧道〟の世界。サウナに入っているような感じ。
温度計が設置されていたが、何度だか??33℃?
ダムの宿舎の人見寮。
人見寮の先から、登りが始まる。
100mほど登ると水平道となりトンネルが現れる。ここまでくれば阿曽原温泉小屋は近い。
100mほど下り16:00阿曽原温泉小屋に着いた。黒部ダムからここまで8時間掛った。
テン泊代500円と温泉代500円の1000円を払う。
テント場。平坦で水場・トイレがあってGOOD!
多いときには100張りほど張られるようだが、端の方まで綺麗に整地して欲しい。
1時間おきに男女入れ替え制。20:00以降は混浴。
大きさは、鑓温泉の露天風呂の半分くらい。
遅めの7:00前に阿曽原温泉小屋を出発し欅平に向かう。
阿曽原温泉小屋とテン場全景。この下に露天風呂がある。
折尾大滝。滝フェチの私にはよだれもの!
折尾大滝のすぐ先に、砂防ダムの中を通るトンネルがある。
この中に入るとすぐ1m30cmほど下がるが、大雨が降るとここに水が溜まり
水中歩行を強いられる。
志合谷を渡る時に150mのトンネルを通過する。
歩道を作ってもすぐに落石や土砂で歩道が壊されるためトンネルを掘ったらしい。
トンネル内部。ヘッデンを点けないと真っ暗で歩けない。
手掘り感たっぷりのトンネルで崩れるのが怖い。
壁をコの字型にくり抜いた水平道。
大迫力の奥鐘山西壁。
沢の途中で大岩が引っかかっていた。
また短いがトンネル。
水平道後半で先月登った白馬岳が見えた。
欅平駅の放送が聞こえてくるがなかなか水平道は下らない。
欅平駅直上から一気に150mほど下らせられる。
欅平駅舎。
欅平駅。
トロッコ電車の乗り継ぎに失敗し、1時間ほどの時間が空いたため近くを散策する。
祖母谷温泉の方へ行こうとするが、この先へ行く人用のヘルメットが置かれていた。
ヘルメットの理由はこれ!
トロッコ電車
途中にトロッコ電車と並行に走る古い橋。
時々テレビで取り上げられる秘湯。
手すりのない危険な吊橋。と思ったら猿専用の吊橋だそうです。
そして宇奈月温泉に到着。
【雑感】
去年、死亡事故と登山道を巻き込んだ崩落事故に遭遇し進めなくなり黒部ダムまで引き返した、曰くつきの場所。今年行こうか若干迷ったが、行って良かった♫
十字峡は優雅で、阿曽原温泉は最高だし、何より旧日電歩道と水平道のあんな所に道を作ったことに驚かされる。
左右が切り立った場所だし落石には特に注意が必要でヘルメットの着用をお勧めする。あと、途中でへばってもエスケープルートがないため、健脚の方専用と言っておこう。