涸沢岳にもネ
2018年の紅葉も終わりを迎えた北アルプス穂高に10月12~14日涸沢経由で登ってきました。
ルートは上高地から横尾経由で涸沢に入る定番コース。涸沢でテント泊し次の日奥穂高岳と北穂高岳に登り北穂高小屋で宿泊。次の日涸沢のテント撤収し帰る日程。
一緒に登るI隊員の希望を叶えたルート設定だ。私的には島々からクラシックルートを通って徳本峠でテント泊し、次の日霞沢岳に登り上高地側に下って徳沢か小梨平でもう1泊したかったが、夏に撮れなかった北穂岳小屋からの展望を期待して穂高のコースに変更した。
10月12日(金)自宅を3時30分出発。関越→圏央道→中央→長野自動車道と高速を乗り継ぎ松本I.Cで降りて沢渡を目指し7時に到着。
着替えとトイレを済ませ7時40発のバスに乗り込み、8時20分上高地バスターミナル。登山届を書いてから河童橋へ移動したが、穂高は雲が厚く全く見えない。でも天気予報は晴れなので信じて横尾までの”地獄のロード11km”に入る。紅葉が結構良い感じにに残っていて写真を撮りながら歩き2時間30分で横尾到着。
横尾大橋を渡り涸沢に向かう途中もまだ紅葉が残っていて楽しめた。14時予定通り涸沢到着したが相変わらず穂高の峰々は雲の中。。とにかくまずは生ビールとおでんで乾杯!その後はテント設営し、またヒュッテのテラスに戻り日が暮れるまで過ごした。夕方になってやっと穂高の峰が姿を現してくれた。I隊員がこの景色に感動して涙を流したかは不明。
この時期は太陽が穂高の山に隠れるのが早くて、気温が一桁台にまで下がり寒い。
次の日は7時に涸沢を出発。天気はバッチリの晴天♬ 涸沢小屋脇を抜けて奥穂高岳に向かいザイテングラート取り付きでヘルメット装着。まわりでも8割の人がヘルメットを被っていて以前より装着率が高い印象。9時20分穂高岳山荘到着。腹減ったけど奥穂高岳を往復してから飯を食べることにして進む。
いきなりの梯子と鎖場を越えると稜線に出て、緩やかな道に変わり奥穂高岳頂上到着。空気が澄んでいて素晴らしい展望だ!
北側には薬師岳・槍ヶ岳・鷲羽岳・水晶岳・立山・鹿島槍ヶ岳・白馬岳が見え、東側は雲が多いが富士山の先端がかろうじて見えた。
奥穂高山荘に戻りカレーとビールを注文。朝は粒あんパン2個しか食べてないので空腹が満たされてなんとなく落ち着いた。
次に向かうのは涸沢岳で、その先には距離は短いが大キレットより危ないんじゃないか思われる北穂までの道が続く。涸沢岳からいきなり垂直の鎖場にI隊員が尻込みするが、何とか説得して先に進む。鎖と梯子の連続する下りはこのルートのいきなりの核心部だった。(前回通過したのは8年前ですっかり忘れていた)途中からガスが湧いてきて高度感が薄らいできて、何事もなく2時間ほどで北穂高岳到着。
期待した槍ヶ岳の大展望はまたもやガスの中で落ち込む。小屋で宿泊の受付をして荷物を置いたら展望テラスでビールを飲みたいところだが、寒くて食堂で小宴会実施。しばらくして夕飯の時間となりいつもの豚の生姜焼き旨し♬ 夕飯後はまた食堂でアルコールを飲む。お隣の登山者夫婦(?)にワインとか御馳走になりながら談笑し21時前にお開きとなった。
次の日は朝飯を食べてスグに下山を開始しようと北穂頂上に向かうが、石や岩の表面が凍っていて滑り危ない。まあ注意して降りれば問題ないレベルではあるが、時間も早いので一旦小屋に戻って解けるのを待ちながらコーヒーブレイク。
40分ほど待機して下山を始める。テント場辺りまで降りてくると滑らなくなってきた。途中の鎖や梯子に注意しながら涸沢まで降りてきて、テント撤収後またヒュッテでおでんを食べて上高地に向けて下山する。
途中の徳沢園で昼飯を食べようとするが、混んでいるので明神まで行って食べることにして歩き始めると、徳沢ロッヂの看板を見るとランチが出来る時間帯だったのでココで食べることにした。混んでる徳沢園とは違い全く客がいない。
メニューはカレーとか牛丼などがあり結構本格的な味でした。徳沢ロッヂは立て替えたばかりで、綺麗で暖炉なんかあり泊まってみたくなる宿でした。徳沢園よりチョッと安いみたいです。
昼飯後は順調に上高地に到着しバスで沢渡へ。途中で温泉に入り埼玉に向けて帰路に就くが、関越も中央も行楽帰りで30kmの大渋滞。中央高速の小仏トンネルの渋滞は夜遅くまで続くが、関越の渋滞は20時頃に解消することは判っていたので、時間を調整するため松本から上田・佐久に抜ける一般道を選択。途中の三才山トンネルは510円の有料。
暗くなってきて上田あたりで道をロストしどこに向かっているか判らなくなった。前の車数台が狭い道に入って行ったので裏道かと思い着いて行くと、公民館に入って行って危うく町内会に参加するところだった。^^
佐久I.Cから高速に入ったが、関越の渋滞はまだ15kmほど残っていたので、途中のパーキングで夕飯を食べ時間調整。夕飯後は渋滞が2kmまで減り予定通りの展開に喜んだのはつかの間、東松山I.Cを過ぎたところでピタッと止まり全く動かない。
上下線6車線全てが通行止めとなり路肩をレスキューの車が通過する。どんだけ大きな事故なんだ!この先何時間待たされるかと2人で嘆いていた。ツイッターで情報収集すると、なんと高速上の高架橋から飛び降り自殺しようとした馬鹿者のために上下全車線通行止めになったらしい。腹立つ!!! 40分ほどで通行止めは解除されて自宅に着いたのは21時30分頃だった。
沢渡バスターミナル。往復のバス乗車券2,100円を購入して乗り込む。
沢渡発のバスはココが始発なので混む時はココから乗った方が無難。
30分バスに乗って8時20分上高地バスターミナル到着。
登山届を記入して河童橋に向かう。
今回もスタートの天気は今一だな~。
前穂・奥穂・吊尾根方面は雲が厚くまったく見えず。。
とにかく河童橋で記念撮影。
苔の上の落ち葉が良い感じ♬
まだ紅葉の途中?。
池の落ち葉はたっぷり!。
明神到着。。この道標は苔と小さな木も生えていて良い味出してる。
徳沢に向かう途中の沢の落ち葉。黄色ばっかりで赤色が足りないな~。
ナメコ。帰りに外人さんがよってたかってこのナメコを撮ってた。
秋っぽい雲。右側は長七ノ頭かな?
登山者が減るこの時期になると登山道の修復が始まる。
徳沢到着。振り返ると焼岳。
徳沢のテン場。
このテン場、芝生の下は土かと思いきや所詮梓川の河川敷の一部で場所によっては
石だらけでペグが刺さらないほど。
山肌の紅葉は良い感じ。でも赤色が少ないな~
氷壁の宿「徳沢園」。
こっちばっかり注目されて去年建替えられた「徳沢ロッヂ」に行く人は少ない。
ロッヂ前に水場と休憩できるスペースにベンチを設置するとも少し賑わうと思うんだけど。。
紅葉は至る所で良い感じになっている。
猿は近づく冬に気が荒くなっていて喧嘩が絶えない。
天気が回復してきて青空が占める割合が増えてくる。
上高地から2時間30分で横尾到着。
梓川に掛かる横尾大橋。
横尾大橋を渡って涸沢に向かう。I隊員はココからは先は初めて!
岩小屋跡。石と石の隙間を抜けると雨がしのげる空間があると思う。
ネットで検索してみたが中まで確認した情報は見つからず。
この辺まで上高地~横尾までと同じような道が続く。
屏風岩下部の紅葉。手前の方だけに日が当たり奥行き感が出た。
横尾から上部でもまだ紅葉は見頃。
屏風岩全景。登っている人はいないようだ。
青い空と緑と黄葉が美しい♬
本谷橋到着。ここまでは斜度が緩やかで登りやすい登山道だった。
紅葉のピークも過ぎ、体育の日も過ぎると極端に人が少なくなる。
この時期が私は好きで、よくこの時期に登りに来ている。
I隊員は念願の涸沢で、見るものすべて初めてなので新鮮だろうな~。
私も10年以上前に初めて来た時は同じ気持ちだったかも?
正面は蝶槍かな?
ナナカマドの実。
本谷橋を越えると登山道の傾斜がきつくなる。
途中で大キレットと北穂が見えた。
本谷橋から下に見えてる沢を登り北穂東陵を越えて北穂高岳に直接登ってみたい。来年かな?
ダケカンバの白い幹が鮮やか!
ココは落石に注意しながら足早に通過する。
所々でまだナナカマドの紅葉が見られる。
涸沢のヒュッテと小屋分岐到着。ヒュッテ方面に進む。
ココまで来れば今日の登りは終わったも同然。
パノラマコースと合流。
涸沢ヒュッテ到着。後は生ビールとおでんを注文するだけ。
まずは乾杯!
おでんを撮り忘れた!しょうがないのでつまみでも!^^
時々山の先端が顔を出す。
見えそうで見えない。涸沢槍だけ現れた。
夕方に全貌がやっと現れた。
振り返ると大天井岳だけに夕日が当たる。
涸沢からは屏風ノ頭が邪魔で常念岳は見えない。見える山は右から横通岳と東天井岳。
2018年10月13日(土)
本日の天気はバッチリ晴れ!
北穂側も良い感じになってきた。
自分のテント。フライシートが少し凍っていた。
定番のエアライズ2で買って10年経つ。千枚小屋で狐に破かれたが修復して使っている。
今日は涸沢に張ったままで奥穂と北穂に登ります。
まずは涸沢小屋を目指すが、起き掛けの体は登りたがらない。
涸沢小屋からテン場を見下ろす。50張り程度か。
ココに張られたテントの最高は1,500張りとか・・・
涸沢小屋脇を抜けてザイテンを目指す。
ザイテングラート到着。ココでヘルメット装着。
簡単な岩場を登って行く。
ザイテン途中で氷柱が出来てた。
数年前に次男とココを登った時に、この文字を見てなんで「小」だけ漢字なんだ?
と言っていたことを思い出した。
穂高岳山荘到着。
看板と記念撮影。腹減ったが奥穂を往復してから昼飯にする。
まずはこの壁を越えないと奥穂頂上には行けない。
私は雪の時期も登っているので問題ないが、I隊員は高所恐怖症で厳しいようだ。。
ビビりながらも着実に登るI隊員。
途中涸沢岳と北穂の間から槍ヶ岳も見えてきた。
奥穂高岳到着。5年振り5回目の登頂。
振り返ると笠ヶ岳。
年配の夫婦が笠ヶ岳を指さしてあれが常念岳って話をしていた。多少の間違いは
見て見ぬふりをするんだけど、流石にココは、あれは笠ヶ岳で常念岳は反対側ですよ
と優しく教えてあげた。
奥にはカールが続く黒部五郎岳。
ジャンダルムもクッキリ。ココから西穂まで行ったのは8年前。
アップにすると2代目エンジェルが確認できる。
北側には薬師岳・槍ヶ岳・鷲羽岳・水晶岳・立山・鹿島槍ヶ岳・白馬岳。
重太郎新道から登ってくる人もチラホラ。。
ジャンダルムの飛騨側はすっぱりと切れ落ちている。
はるか下方に涸沢が見えた。
穂高岳山荘でカレーを食べた。ついでに喉が渇いたのでビールも注文。
穂高岳山荘の作りが凄い。ココまで綺麗に石を積み上げてある山荘は珍しい。
ひと登りで涸沢岳。日本で8番目に高い山で、私自身8年振りの登頂デス。
写真を撮ったらすぐに北穂に向けて出発。
いきなりの垂直の鎖場にI隊員は尻込み。なだめすかして慎重に通過する。
私もココを通るのは9年振りだし、前回は逆コースだったのですっかり忘れていた。
涸沢からの下りが最も危険な場所だった。。のね。
高度感抜群です♪
しばらく鎖場の連続。
I隊員を励ましたりなだめたりしながら進む。
笑いがぎこちない。
逆層スラブ。
中間地点。
ガスが出てきて高度感が若干和らぐ。
やっと笑顔にも余裕が出てきた。グローブは手汗でぐっしょり。
次男が見たらまた突っ込むだろうな~。なんで北だけ「穂」が漢字なんだ~とね!^^
そして北穂高岳頂上到着。ココは2ヵ月振りの4回目。
解放感がにじみ出るI隊員。
頂上直下の北穂岳小屋。2か月前と同じで展望なし。
時々東陵が見える程度で槍ヶ岳方面全く見えず。
くつろぐI隊員。
夕飯の名物「豚の生姜焼き」。
2018年10月14日(日)
朝飯。
小屋を出発前に記念撮影。朝もガスで展望全くなし。
エビの尻尾が出来そうな勢い。岩の表面が凍って滑るので慎重に下る。
テン場を越える辺りから滑らなくなり安心して下れるようになった。
中間地点の梯子と鎖場。
危なっかしいI隊員の鎖場歩行。
涸沢でテント撤収してまたおでん。
倒木のササクレ方が凄い。今年の風台風で倒れたと思われる。
横尾到着。地獄のロードがまた始まる。
徳沢ロッヂで昼飯を食べることにした。
ロッヂ前のもみじが真っ赤。
暖炉が温かい。
またカレーを注文。本格的ウインナーで肉汁もあり旨い。
途中の池で寝るカモ。
帰りのパーキングで今度はカツカレー。
【雑感】
今年初めてのテント泊だった。以外にも北穂岳小屋の布団より、テントでシェラフの方がよく眠れた。空気が薄いから眠りが浅いのかな?
本格的な岩場は去年の剱岳以来で、やっぱり楽しい。