週に多い時で3回ジムに通うようになって、毎回エアロバイク40分間を2回と筋トレ1時間行っている。エアロバイク40分間が暇なのでズッと小説を読みながらペダルを漕いでいる。この時に大抵山岳小説を読んでいて、その時読んだ小説を時々紹介します。
初回は、泉康子著「いまだ下山せず!」です。ノンフィクションで、登場人物は実名で記載されています。
本書は1986年12月28日~厳冬期に北アルプス、燕岳から東鎌尾根経由で槍ヶ岳を目指した3人が遭難した"のらくろ岳友会"の捜索の記録です。
1頁目からいきなり遭難で始まる。下山予定日を過ぎてから捜索を開始し、約半年後に3名の遺体を発見するまで、3名の登山者がどのような足取りをたどったのかが不明なまま話が進む。
同じ時期に槍ヶ岳を目指した沢山の山岳会に聞き取り調査し得られた情報から遭難ポイントを絞り込んで行く過程を克明に、時には生々しく描写しています。
著者の泉康子氏は"のらくろ岳友会"を立ち上げたメンバーの1人で遭難時の肩書は元副代表であり、この遭難捜索の当事者だったからこその描写だと思います。
捜索の過程の小説なんてつまらないかなと思って読みだしたけど、飽きさせずに最後まで読み終わりました。
この中で私が注目したのは、扱いはほんの少しだけど遭難者が所属していた会社の対応でした。プライベートで遭難者した従業員に対する対応が各会社で大きく違ってくるんだな~と興味を持って読ませていただきました。